SOLIZE PARTNERS株式会社
代表取締役社長
井上 雄介
Medical Devices Corner Inc.
CEO
Samuel Frishman
略歴
大学院修了後、本田技研工業株式会社に入社し、オートバイの開発に16年間従事。市販オフロードレース用車両や、世界選手権用ワークスマシンの開発責任者などを担当。PwCコンサルティング合同会社にて製造業のDX化などを担当したのち、SOLIZE株式会社に入社し、おもにものづくり領域の事業をリード。2025年7月から現職。
略歴
Medical Devices Corner Inc.の創立者およびCEO。2021年にスタンフォード大学にて機械工学の博士号を取得。2022年のIEEE(米国電気電子学会)が発行する学術論文誌でMedical Robotics and Bionics Best Paper Awardを受賞するなど、数々の賞を受賞。また、スタンフォード大学機械工学部の非常勤講師としても勤務。
Medical Devices Corner Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Samuel Frishman、以下 MDC社)は、世界でも有数の研究機関であるSRI International※1から事業開発支援を受けた、スタンフォード大学発のスタートアップです。MRIスキャナー内の高磁場環境下において、撮像と針の穿刺を交互に行う従来の画像ガイド下生検など煩雑な医療処置に代わる、高磁場環境でも作動可能な手術支援ロボットを開発しています。リアルタイムで断面像等の画像を見ながら、遠隔操作での外科手術の実現を目指しています。
SOLIZE PARTNERSは、自動車業界をはじめとする製造業において培った3Dデジタル技術によるものづくりのノウハウや知見を活かし、MDC社の手術支援ロボットの開発において、企画、デザイン、設計、3Dプリンターを活用した試作から生産準備までを支援しています。
このたび、MDC社のCEO であるSamuel Frishman(サミュエル・フリッシュマン)氏が来日し、SOLIZE PARTNERSの開発拠点であるGlobal Engineering Center Yamato(神奈川県大和市)にて、開発パートナーであるSOLIZE PARTNERS株式会社 代表取締役社長 井上 雄介とこれまで両社の協業を振り返るとともに、今後のさらなる取り組みについて対談しました。
MDC社 Samuel:本日はお招きいただきありがとうございます。そして、SOLIZE PARTNERSと共に仕事ができることを感謝しています。MDC社は医療用ロボットを開発している企業で、悪性腫瘍(がん)の早期診断と治療に注力しています。わかりやすい例を挙げると、3cmの腫瘍もかつては3mmだったはずであり、その段階で診断し、破壊できれば、病変がもっとも治癒しやすく、治療しやすい時期に治療を行うことが可能です。しかし、小さな病変をピンポイントで攻撃するのは非常に困難です。そこで、MRIスキャナー内での駆動と操作を可能にするロボットシステムを開発しました。これにより、病変が非常に小さい段階でも可視化が可能となり、生検針やアブレーションプローブ※2を用いて標的を定め、診断と同時に治療を行うことができます。この開発にあたり、SOLIZE PARTNERSにはデザイン・設計・試作において支援いただき、あらためて感謝しています。
SOLIZE PARTNERS 井上:SOLIZE PARTNERSは、ものづくりを主体としたエンジニアリング支援を行っている企業です。エンジニアリング開発支援分野では、自動車や医療など多岐にわたる分野で、デザイン・設計・解析・金属3Dプリンターを活用した熱マネジメントなどの技術を提供しています。また、ものづくり分野においては3Dプリンターを中心にあらゆる工法を用いて開発スピードを加速する試作品製作や、昨今強化している3Dプリンターを最終製品製作に適用するサービスにも注力しています。今回のMDC社のような先進的なスタートアップとの協業は、私たちにとっても大きな挑戦であり、喜びでもあります。
Samuel:SOLIZEPARTNERSのエンジニアリングチームとのコラボレーションは、本当に素晴らしいものでした。こちらからはごく限られた情報とラフなスケッチしか提供できませんでしたが、すぐに私たちの意図をくみ取りスピーディかつ自主的に初期コンセプトや設計を進めてくれました。また、SOLIZE PARTNERSの3Dプリント技術の高いケイパビリティにより、迅速にプロトタイプを仕上げていただけました。エンジニアリングデザインとプロトタイプ製作の両面で、私たちは非常に感銘を受けています。
井上:私たちの強みである「エンジニアリング力」と「製品化の速さ」を高く評価していただけたことを、嬉しく思います。昨年3月に初めてSamuelさんたちのオフィスであるスタンフォード大学構内のSRIのラボを訪問しました。現場で働いているメンバーの若さにも驚かされましたが、何より彼らと会話するなかで感じたチャレンジ精神と、取り組み内容の先進性に、「これは本当に未来を変えるプロジェクトだ」と確信しました。
井上:MDC社の取り組みは、「テクノロジーでがん治療の患者負担を軽減しよう」という思想が明確です。巨大な手術支援装置であるダヴィンチとは異なり、MRI装置内で診断から施術までをリアルタイムで行う、つまりMRI内で全身を検査し、がんが見つかればその場で穿刺針を用いて処置を行うという発想力には本当に目を見張るものがありました。
また、彼らの素晴らしい点は、スタンフォードの医学部の教授から普段どのように装置を操作しているか、患者さんが抱える課題などを聞き、それらを開発に取り入れる環境が整っているところです。スタンフォードでその現場を目の当たりにし、Samuelさんを中心とした仲間たちと、そこにSOLIZE PARTNERSがパートナーとして加われることを嬉しく思いました。
Samuel:私たちは医学部のトップクラスの先生方と密に連携し、励ましをいただきながら開発を進めています。この装置が医師のニーズに即しているかを常に確認し、医師や放射線技師の方々が現場で本当に使えるものを目指しています。
Samuel:非常に優秀です。こちらから細かい仕様を伝えなくても、適切に質問を投げかけてくれ、私たちが何をしたいのかを伝えるだけで、それを適切に設計に落とし込んでくれます。また、こちらから特にリクエストしていなかったにもかかわらず、設計だけではなくデザインにもこだわった成果物を提案してくれました。こちらの要求を上回るものが出てくることに、何より驚かされました。私たちは、SOLIZE PARTNERSほど私たちの意図を深く理解してくれるエンジニアリングパートナーと働いたことがありません。
井上:当社がそのようなサービスを提供できる理由は、おもに日本の自動車OEMや自動車関連のサプライヤー向けにサービスを提供しているからです。特に日本の自動車業界は、「インテグラル(擦り合わせ)型」の開発スタイルが主流で、仕様が決まっていない段階から関係者と擦り合わせながら進めていきます。今回のようにまったく新しい医療デバイスを開発する場合も、この「インテグラル(擦り合わせ)型」のほうが、スピード感をもって円滑に進めることができると感じています。
Samuel:当初は限定的でリスクの少ない部品のみ設計を依頼していましたが、SOLIZE PARTNERSのエンジニアは自主的に提案してくれて、すでに複数の主要部品のデザイン・設計、さらに3Dプリンターによる試作まで手掛けてくれました。将来的には、デザインや設計だけではなく、製造の面でもSOLIZE PARTNERSに協力をお願いしたいと思っていますし、今後生まれてくるさまざまな製品の企画や重要部品の設計もお願いしたいと考えています。
井上:私たちも、単なるビジネスとしてではなく、病気で苦しむ人々の課題をテクノロジーで解決したいという思想に共感し、ぜひその一翼を担いたいという強い意志があります。開発フェーズだけではなく、量産までサポートしたいですし、その先のモデルチェンジや新たな開発においても、私たちが関わることでさらに品質を高められると考えています。また、MDC社のような世界トップクラスのスタートアップと共に、エンジニアが最後まで責任を持って関われる経験は、非常に貴重であり、人材育成にもつながると感じています。SOLIZE PARTNERSの若い技術者たちに、世界で通用するかを試せる貴重な舞台を今後も提供し続けたいです。Samuelさんこれからも末永くよろしくお願いいたします。
Samuel:こちらこそ、今後もSOLIZE PARTNERSのエンジニアリング支援と製品製作に期待しています。
MDC社とSOLIZE PARTNERSは、今後も手術支援ロボットの開発・製造において連携し、テクノロジーを通じてより豊かな社会の実現を目指してまいりします。
また、若手エンジニアの活躍の場を広げ、世界で通用するエンジニアの育成も共に推進していきます。
※1 SRI International:
1946年スタンフォード大学により設立。シリコンバレーに深く根ざした独立した非営利研究開発機関。AIや教育技術からバイオメディカルやロボット工学までさまざまな分野で研究を行い、人々の安全と健康、生産性を高め世界に変革をもたらすソリューションの創出。50社以上のスピンオフベンチャー企業を輩出。
※2 アブレーションプローブ:
高周波電流を体内の腫瘍部位に伝えるための針状の電極器具
※3DEXPERIENCE、Compass アイコン、3DS ロゴ、CATIA、BIOVIA、GEOVIA、SOLIDWORKS、3DVIA、ENOVIA、EXALEAD、NETVIBES、MEDIDATA、CENTRIC PLM、3DEXCITE、SIMULIA、DELMIA およびIFWE は、アメリカ合衆国、またはその他の国における、ダッソー・システムズ (ヴェルサイユ商業登記所に登記番号B 322 306 440 で登録された、フランスにおける欧州会社) またはその子会社の登録商標または商標です。
※Ansys®、及びその他すべてのANSYS, Inc.の製品名は、ANSYS, Inc.またはその子会社の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※BETA CAE Systemsの会社名および製品の商標、商号、ロゴは、スイス、欧州、米国、およびその他の国の法律に基づき保護および/または登録されている場合があります。無断での使用または複製は固く禁じられています。
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