金属ラティス構造の機械的性質


既存の部品をラティス化して軽量化したいと考えた際に気になるのは、「どの程度機械的性質が低下してしまうのか」ですが、
金属のラティス構造の機械的性質を検討する上で、参考にされている先行研究としてGibson-Ashbyモデルが挙げられます [1]

多孔質金属の圧縮試験の評価をもとに提唱されたモデルで、①変形初期には応力とひずみが比例関係にある弾性領域が現れ、
②次に応力がほぼ一定のプラトー領域が出現し、③最後は応力が急増する緻密化領域となり、このプラトー領域において、一定の応力状態で
セル(ラティス)構造は潰れていく、というのがGibson-Ashbyモデルの概要です。Fig.1に①~③の状態を表した応力-ひずみ曲線を示します。



Fig.1 セル構造体の圧縮試験による応力–ひずみ曲線 [2]


ラティスは意図的に多孔質金属を造っているとも見做せます。
そのため、Gibson-Ashbyモデルがラティスに適応可能かを確認する研究も行われていますが、
より多くの知見の蓄積が必要とされているのが現状です。
金属3Dプリント(Metal Additive Manufacturing)の発展とともに、今後はラティスの検証・研究の重要度が高まることでしょう。



参考文献

[1] Gibson L. J., M.F. Ashby, Cellular solids: structure and properties., Cambridge university press, 1999
[2] 馬渕 守, 山田 康雄, 文 翠娥, 金属セル構造体の圧縮変形特性, 鋳造工学, 2002; 74巻12号: 822-827

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※出典:アルテアエンジニアリング株式会社