金属3Dプリントの微細形状の造形限界

金属3Dプリンターではどこまで微細形状を再現できるのでしょうか。


Fig.1 金属造形サンプル


Fig.2 サンプル厚み測定

Fig.1、Fig.2は、肉厚が0.2mmを下回る金属造形品のサンプルです。微細形状の造形を行う際に考慮すべき条件は複数ありますが、まずは造形方向の検討が必要です。



Fig.3 (A)薄肉 90°


Fig.3 (B)薄肉 45°


Fig.3 (C)薄肉最薄部 45°


Fig.4 (A)厚肉 90°


Fig.4 (B)厚肉 45°


Fig.4 (C)厚肉最薄部 45°

Fig.3、Fig.4は毎層のレーザー溶融の軌跡をブロックで模式化した図です。薄肉と厚肉の90°垂直造形と45°斜め造形をそれぞれ表しています。Fig.3に示す通り、薄肉の場合、90°造形した場合の厚みは2ブロック分ですが、45°造形した場合の最薄部分は1ブロック分となり、90°造形に対して厚みが50%減少し、強度に大きく影響します。また、造形の過程において形状を維持できず、造形に失敗する可能性もあります。一方で厚肉の場合、90°造形に対する45°造形の厚みの減少量は10%で、影響は軽減されます。

このように、微細形状は造形方向によって肉厚が変化します。日々、多くのお客さまからさまざまな形状のデータをお預かりする受託製造では、安定的に造形できるようある程度の安全率を見込んでおり、お客さまに肉厚の調整をお願いすることがあります。一方で、品質最優先で造形を行いたいというお客さまに対しては、形状特徴に応じた造形パラメータの作成から対応するサービスも行っています。積層ピッチを細かくすれば、Fig.3で示したブロックのサイズは小さくなり、微細形状の再現性は高まります。技術的限界にチャレンジしたいというご相談も承ります。

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