SOLIZE 知的財産戦略グループ 特許発明の紹介 #2

発明概要

 設計変更が頻繁に発生する製造業では、図面レビューや検図業務の工数増加、変更箇所の見落とし、熟練者依存が課題となっています。

 本発明は、図面を図形要素単位で解析し、類似度に基づいて差分を自動検出する技術です。設計レビューの効率化、見落とし低減による品質向上への寄与、開発リードタイム短縮や設計DXの推進に寄与します。

技術概要※1

※1: 理解のしやすさを優先した説明であるため、記載したステップは実装時の処理順序と必ずしも一致するものではありません。また、本稿の記載事項の全てが特許発明の構成要素となるものではありません。

ステップ1:比較単位(図形要素)を決定

図面の複雑さに応じて抽出単位を調整できるため、様々な種類の図面へ柔軟に適用できます。

具体的には、図1に示すように、オフセット値(具体的図形と抽出領域の境界との幅)を調整することで、一体として扱う図形要素の抽出範囲を変更できます。実施例では、オフセット値の増加にともない、図形要素が、3分割、2分割、1分割と変化します。

つまり、オフセット値の調整により、図形要素が密である画像あるいは簡素な画像など、様々な図形要素を適切に抽出できます。

ステップ2:図面A、Bから図形要素を抽出

図2に示すように、比較対象とする図面Aおよび図面Bから図形要素を抽出します。

ステップ3:対応する図形要素の探索

図3に示すように、各図形要素について、最も類似度(※2)が高い図形要素の組み合わせを設定します。

※2:類似度とは、二つの図形要素がどの程度一致しているかを表す指標であり、算出方法は特に限定されません。なお、実施例では0~1 の値を取り、1に近いほど類似度が高いことを示します。

ステップ4:変更有無を判定する

図形要素間の類似度の算出方法は特に限定されません。実施例では、周知の画像処理技術であるテンプレートマッチング(※3、参考図1)を利用して、類似度を評価しています。

図4に示すように、図形要素について、類似度に応じ、例えば、①変更なし、②変更あり、③削除または追加、と判定できます。

※3:テンプレートマッチングとは、対象画像中からテンプレート画像と類似した図形を探索する画像処理技術です(参考図1)。

ステップ5:差分を可視化する

図面全体の事前位置合わせを行うことなく比較できるため、差分確認に費やす作業負荷を低減でき、また、熟練度によるばらつきの低減に寄与します。

具体的には、

  • 図形要素同士の差分を表示する。
  • 図形要素の変更部分は異なる色で表示する。
  • 図形要素の変更がなければ、目立たない色(例えば灰色)で表示する。
  • 比較対象となる図形要素同士の位置関係を調整して重畳表示する。

まとめ

従来技術:図面全体を重ねて差分を確認します。
従来技術の課題:事前の位置合わせが必要、経験に依存し時間がかかり、熟練度によるばらつきがあります。

本発明の技術:図形要素を抽出し、各図形要素の類似度に基づき、変更有無や削除・追加などを判定できます。
本発明の効果:図面全体の位置合わせに依存せず、図形要素単位で変更箇所を抽出できます。

その結果、設計レビューや検図作業の効率化による工数削減だけでなく、見落とし低減による品質向上にも寄与します。
また、熟練度によるばらつきの低減に寄与し、レビュー品質の安定化を支援します。

想定される適用例

用途:

  • 設計変更管理 、設計支援、図面間の差分比較、類似する図形要素の検出
  • 設計レビュー、CADレビュー支援
  • 図面管理システムとの連携
  • 製造図面監査
  • 品質保証業務支援

など(これらに限定されるものではありません)

対象図面:

機械等の設計図、回路図、電子基板レイアウト、建築図面、各種申請図面、そのほか(これらに限定されるものではありません)。

実施の形態:

  1. 図面比較ソフトウェア(端末上で動作)
  2. 図面比較クラウドサービス(サーバー上で動作)
  3. 組込み検査システム

※本発明は、装置、方法およびプログラムとして権利化されています。

ライセンス・技術導入をご検討中の方へ

本技術は、

  • 既存のCAD、PLM/PDMシステム
  • 設計レビュー支援システム
  • 図面監査ソリューション

などへの実装が可能です。

ライセンス供与、OEM提供、共同事業化等を含めた協業について、ご相談を賜ります。

連絡先: marketing.spt@solize.com

特許情報

発明名称:画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム 

特許番号:第7847828号  出願日:2022年3月28日 登録日:2026年4月10日

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-117879/10/ja

SOLIZE知財整理番号:SP22-001

権利者:SOLIZE Holdings株式会社

発明者:山内 俊哉(SOLIZE PARTNERS株式会社)、小林 祐輝(SOLIZE PARTNERS株式会社)、根津 純 (+81株式会社)

文責:岩井 信弘
文責:岩井 信弘
SOLIZE Holdings株式会社 テクニカルフェロー(知財・CAE領域) 弁理士・工学博士

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